忘れないように書いておく

 

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2009.09.27[日] 風呂場での話

不快ではあるが、実害は少ないので看過していた。
しかしそれが無視できないレベルにまで達してしまうことがある。

風呂場での話である。

虫、という生物が地球上には存在している。
存在している、とはいえ
その存在自体に解明されていない部分が多く、
その特殊な生長のメカニズムや、独特の社会のシステムなどは
学術的な研究の対象になることもしばしばあり、
また一方でその「わからなさ」に起因する
一種神秘的な在り方とグロテスクな容貌において
小説、映画などの芸術作品に対して
インスピレーションを与えていることも事実である。

かくいう自分も一時期、「映画に現れる虫」(正確に言えば「映画に現れる巨大な虫」)
を見ることに並々ならぬ情熱をささげていた時期が少なからずあり、
その畸形的(人間から見れば)でグロテスクなさまに熱狂していた。

しかし、それは飽くまで画面上に現れてくる「怪物」としての虫、
に対する興味であり、実生活に現れてくる「害虫」としての虫、
となると180度態度を転換せざるを得ない。

それは例えば
『悪魔のいけにえ』は傑作だがレザーフェイスが家に来たらやだ、
『リング』は良く出来た映画だが貞子が本当にテレビから出てきたらすごくやだ、
ということと同じ論理である。

なんだかぼんやりつらつらと書いてしまい
論点がぼやけて来てしまったが、
そう、風呂場での話である。

これは一般的な認識なのかどうかは定かではないけれど
風呂場にいる虫といえばオオチョウバエである。
体長4mm程度のハート型の羽を持ったコバエのことだ。
蚊のように「吸血」という明確なビジョンを持って
人間に特攻してくるような明らかな害虫性を持たないこの虫は
夏になれば2,3匹は風呂場に常駐しており、
半ば風景に溶け込んでいる感すらある。

事実このオオチョウバエは、調べてみると「害虫」に分類されてはいるものの
そのカテゴリーは「不快害虫」、「不快」だからというなんともまったりとした理由で
「害虫」にカテゴライズされてしまっているのである。

と、なんだかやんわりとオオチョウバエを擁護するような論調になってしまったが
まさしく先ほどそのオオチョウバエの不快性を目の当たりにし
この文章を書くにいたったのである。
それが、風呂場での話である。

書いていてだんだん面倒くさくなってきたので
とりあえず結果から簡潔に言おう。


オオチョウバエ、風呂場で大発生。


それは例えば、厳格な両親を持ちきちんとした躾を受け、
神戸の丘の上にある伝統ある女子校を首席で卒業、
晴れて東京の一流大学に合格した彼女が初めての一人暮らしを始めた初日。
明日の大事な入学式に備えて入念に体を洗おうと
風呂場の扉を開けたキレイ好きの彼女が、
引越しの際にかいた汗や浴びたほこりを洗い流すことなく
入学式に赴くことを決意させるのに十分な数、と言っていい。

それはもはや無視できるレベルではない。


以前にも、普通に比べると数が多いな、ということはあった。
そのときはスプレー式の殺虫剤で対応し
自分の中に眠る狩猟本能を垣間見て新鮮な気持ちになったりもした。
しかし、今回は数が数なので殺虫剤を必要十分な量噴霧すれば
風呂場が大量の殺虫剤で満たされ、人間であるところの自分にまで
殺虫成分が浸透しかねない危険がはらむ。

そこで仕方なく浮上したのが
「手で潰す」
という方法である。

非常に一般的な方法ではあるが今まで避けてきた方法でもあった。

例えば蚊のような線の細い虫である場合は、
潰すという実感がそれほど感触として伴なわないためか、
してやった、という爽快感が勝る。
またそこから自分が吸われたであろう血液が
ベットリと染み出している場合でも、自分の血である
という認識があるためか、むしろ復讐心に火がつきしてやった感がましこそすれ
不快感はそれほどないように思う。

しかしオオチョウバエの場合、
小さくてもハエ、である。
体長4mmとはいえその少々丸みを帯びた体躯は
潰した際に感触として現れる「具」につい思いを馳せてしまう。

そしてその予感は的中する。

なんというか潰した感触がなんとも不快なのだ。
蚊が「プチ」ならばオオチョウバエは「ブキュ」という感触。
なにやら「頭蓋」の存在を感じさせる感触、とでも言おうか。
「殺めた」感の強い感触である。

しかし四の五の言っても仕方ないので
主に右手の中指を駆使して殺し続ける。


「ブキュ、ブキュ……」


いったい何十匹がこの排水口に流れて消えたことだろう。
数を数えてしまうとなにやら呪われてしまうような気がしたので止した。
しかし明らかに30以上は殺めている。
以前のような狩猟本能は自分の中に認められず、
ただただ陰鬱な気分で時間が流れた。

依然、壁に張り付いた虫たちをそのままに
洗髪し、体を洗い、風呂場を後にする。


そしていまPCに向かいタバコなどすいながらこの文章を書いている。


ふと、タバコを口に運ぶ右手の中指が、
虫を数十匹も殺した指であることを思い出すと、
なんとも不快な心持になってくるのだった…







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